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古典音響機器ギャラリーT&C Classic Audio Equipment Gallery

〜半導体開発の原点に立ち戻る〜

- 2023.1.12 -


T&C Classic Audio Equipment Gallery

第三十一話
「Adventurer」 タワーアドベンチャースピーカー

第三十一話は前話に続くスピーカーの紹介で1927年製 モデル:

「Adventurer」 アドベンチャー と呼ばれるものでメーカーは米国マサチューセッツ州ボストンにあった会社でTower Mfg.Co.,です。

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写真のように円形のスピーカーは直径45㎝とかなり大きなもので、前面に円形筐体と共に芸術的な船のダイキャスト製飾り模様があります。

単色の濃紺(黒)色紙製のコーン振動板は船の背景になるように配置されていて船の装飾も凹凸を使った作りで且つ振動紙もコーン形(円錐形)も奥行きがあるので立体感のある作りとなりスピーカー自体が部屋の中の装飾品として飾ることができます。

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音を出す駆動部分はこの時代に共通した馬蹄型磁石を使ったマグネチックスピーカー構造で真空管アンプに直結できる1Kオームインピーダンスコイルです。

コーン振動紙は通常陣笠スピーカーと呼ばれるものと同じですので、実際に鳴らしてみますと他の陣笠スピーカーとほぼ同じ音色で可もなく不可もなくといった当時販売されていた多くのスピーカーと同じ標準的な音質でした。

構造上奥行きは写真の通りかなり薄いのでどこにでも飾りとして置けそうですので見て聞いて楽しいスピーカーです。

当時の日本で作られたスピーカーやスピーカー内蔵ラジオなどはスピーカー全面に布を張ったものばかりでこのように芸術的な感性で作られた日本製スピーカーは見当たりませんでした。



令和5年1月12日

中鉢 博

 

 

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