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古典音響機器ギャラリーT&C Classic Audio Equipment Gallery

〜半導体開発の原点に立ち戻る〜

- 2023.3.15 -


T&C Classic Audio Equipment Gallery

第三十二話
フランスのパテ社ポータブル蓄音器「DIFFUSOR PATHE」

第三十二話はフランスのパテ社ポータブル蓄音器の紹介です。

「番外編 その2 フランスのPATHE(パテ)社の蓄音機とレコード」 で紹介しましたパテ社のポータブル蓄音器で「DIFFUSOR」(拡声器)と呼ばれたものです。

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このパテ社ディフーザー(拡声器)は78~80回転/分の縦振動専用ポータブル蓄音器ですので再生可能なレコードはかなり限定されますが、非常にユニークな構造でコーン型振動板中心部に縦振動専用サファイア針を直接取り付け演奏はレコード盤にこの針を直接乗せて行います。

よく野球観戦応援に使うメガフォン呼ばれるプラスチックの円錐形と同じようなもので、もう少し平べったい形状ですがディフューザー(拡声器)と名付けられました。

従ってこのメガフォンのようなディフューザー(拡声器)がちょうどレコードに覆いかぶさる様に置きますのであたかもレコード盤に置いたメガフォンから直接音が出るような構造になります。

構造上からコーン紙振動板がレコード盤に覆いかぶさりますので針の位置が全く見えずどの位置を演奏しているかわかりませんので針を置くスタート位置は目視ではなく写真のように調整ストッパーがありこれでスタート位置だけは機械的に決まりますが実用的には少々不便なもののポータブルといった目的からは許される範囲と思われます。

一般的な蓄音機の針は使い捨て鉄針で一曲演奏ごとに新品と交換するのですが、この蓄音機に使われる針はパテ社縦振動専用の針でほぼ半永久的に使えるものですが現在は針の入手は高価でまた入手困難な状態です。

この蓄音機も入手時は針が無かったので手持ちの予備で修理を行いました。

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収納時はクランクハンドルとコーン振動紙を写真のように収納します。

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令和5年3月15日

中鉢 博

 

 

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