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古典音響機器ギャラリーT&C Classic Audio Equipment Gallery

〜半導体開発の原点に立ち戻る〜

- 2020.03.18 -


T&C Classic Audio Equipment Gallery

第二十話        ストリートオルガンについて その1

しばらくご無沙汰しました。

12話でご紹介したドイツ製アリストン社の手回し卓上オルガンを昨年末にクリスマスイベントで演奏した際にお子様からお年寄りまで人気を呼びました。自動演奏と言っても手回しで「ふいご」と呼ばれる圧縮空気を作る機構から送られた空気でハーモニカのようにリードと呼ばれる振動板へ音階に応じた穴が開いた音符板から送って音楽を奏でるオルガンです。

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最近、何気なく目についた写真のストリートパイプオルガンに興味が向き、音源がハーモニカのようなリードではなく多くの木管が並んだパイプオルガンでした。ユーチューブで探すと結構ピエロなどの格好でハンドルを回して道行く人々を楽しませている動画でしたが、はてさてストリートパイプオルガンの音は如何なものかと昔のストリートパイプオルガンの音を収録したレコードをオークションで買って聞きました。

久々に独特の音に感動を覚え、早速実物を何とか入手すべく探してはみたものの価格と入手難から叶わず、注文制作の会社がありましたが数百万円とのことで手が出ず、思わず「それならば作ってみよう」と思い立ちました。

しかし、さっそく構想など練るべく資料を探しましたがほとんどありませんでした。かろうじてユーチューブで自作のストリートオルガンがいくつか出ていましたので動画を止めては構造を確認するなどしましたが基本構造などが全く分からず、ましてや木材加工技術があるわけでもなく更には木と革及びネジなど1800年代に入手可能と思われた材料のみで作る計画を立てスタートしました。

実際に作業に入ると失敗の連続で、やっと架台とフイゴ機構まで辿り着いたもののこれから何か月掛かるか全くわかりません。(落ち込みます)

しかし、諦めることなく確実に少しずつ進展していますので作っているのはアンティークではなくアンティークもどきですが、当時の入手可能な材料で作る過程をご紹介してゆきたいと思います。

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今回の製作途中写真は架台に4連フイゴとチャンバーが取り付いた状態です。

さて、これから先に進む手掛かりが少ない為に参考として1800年代後半に流行りましたオルガネッテなど手回し自動演奏オルガンを入手して参考とする計画を立てました。

そして何とか1800年末頃の卓上手回しオルガン“オルガネッテ”など3台ほど入手しました。

しかし・・・・・入手した機器3種類がどれも外観はそこそこではありましたが内部は予想以上にボロボロでフイゴの布地も強く触るとバラバラになるなど簡単な手直しでは演奏できるまで復元できる代物ではなく、止む無く大掛かりな修理をしながら構造の解析を行い自作のストリートパイプオルガンの制作参考とすべく取り掛かかることとしましたが・・修理自体が極めて難儀を極めとてもストリートパイプオルガン作りではない状態に陥りました。

そこで、再生作業には時間が掛かりそうなのでこの入手した3台のオルガンの紹介と修理状況について順次紹介してみようと思い「ストリートオルガン その2~」から各々の卓上手回し自動演奏オルガンをご紹介しつつ手作りストリートパイプオルガンの制作途中もご紹介して行きたいと思います。

修理予定の3台の写真を添付しました。

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GEMローラーオルガン

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CLARIONA ローラーオルガン

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オルガネッテ"F"ローラーオルガン



令和2年3月18日

中鉢 博

 

 

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